小麦
Farina

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Storia della Farina  小麦の歴史

2006年 6月

   米、トウモロコシと共に世界三大穀物とされる小麦。タンパク質をたっぷり含む小麦は人類が始めて手にした作物と言われています。現在私たちに馴染みの、パスタ、ピッツァはもちろん、うどんや素麺、ラーメンに餃子、パン、ケーキとクッキー、お好み焼きにたこやき、さらには生麩等など、小麦粉は様々な形態に加工でき、まさに人類の食を支えていると言えるでしょう。では一体何時から人類は小麦を食べているのでしょうか。諸説が有りますが2万年前のエジプト遺跡に野生の麦を食べていた跡が発見されています。ただし、ここでは時間を約1万2千年前に戻します。最後の氷河期が終わり、地球がだんだん暖かくなってきた頃、場所は西南アジアです。狩をするにも獲物になる動物が少なく、人々は空腹をかかえていました。そこで、彼らは眼前に広がる草原の雑草に着眼し、その種子を食糧に選びました。中にはまずい物もあったでしょうが、自然と実が大きく美味しい物を探し出しそれが人類と麦との出会でした。そのうちに米の歴史と同じように、わざわざ採りに行くより簡単な方法、耕作をすることにより自分達で美味しい麦を育てるに至りました。その後、人類の拡散と共に麦も世界各地へと広まり、多くの古代遺跡から麦の粒や穂が発見されています。当時は新石器時代、彼等は麦をどのように食べていたのでしょうか。この頃はまだ大麦と小麦の区別もなく、他の雑穀や豆と共に、石と石ですり潰して粉にし、で練ってから焼いて食べていたと思われます。紀元前6500年頃になると土器を使い、荒挽きした麦をお粥として食べていたようですが、粥には大麦が適していたため古代エジプト前、中期の主食は大麦でした。一方で粉挽き道具も進歩し、サドルカーンという専用道具が発明されました。1メートルくらいの平らな石の皿(サドル)に麦粒を乗せ、棒状の石臼(カーン)を両手で押さえながら体重をかけて前後させ、少しずつ製粉します。挽いた粉に水を加え、こね続けると弾力と粘りのある塊になります。これを焼くのですが、小麦を用いると柔らかく美味しい食べ物になりますが、大麦の場合は同じように調理しても硬いものにしかならず次第に主食は大麦から小麦へと変わっていきました。ある時こねた生地をそのまま放っておいたところ、生地は大きく膨らみ、表面には泡も出ています。試しに焼いてみると、大変香ばしく柔らかく、とても美味しい“パン”の出来上がり。これこそ今日私たちが食べている発酵パンの始まりです。生地が膨らんだのは天然酵母の働きによるものですが、当時の人たちにとっては神様からの贈り物、と神に感謝を捧げました。以降パンが急速に広まり、小麦が主食の地位を確立します。それ以降現代に至るまで小麦は、形は少しずつ違えど、世界各地で人々の食を支えてきました。以前に話の出たパスタも、小麦の発展と共に進化していきました。

Analisi della Farina  小麦の分類

2006年 7月

    小麦の分類は栽培時期により冬小麦と春小麦に、見た目で赤小麦と白小麦に、粒の硬さにより硬質と中硬質と軟質とに分けられ、それぞれの性質を表す組み合わせで呼ばれます。秋に種をまいて夏に収穫するタイプが「冬小麦」,春に播いて秋に収穫するタイプが「春小麦」です。現在では育種での交配によって中間的な性質の小麦も多くなりました。春小麦は生育期間が短いため収穫量は冬小麦に比べ減るために冬季の寒さが厳しいアメリカの北部,ヨーロッパやロシアの一部,カナダなどを除いて,冬小麦が作られています。そして含有されるタンパク質(グルテン)の量で、色や硬さに差が出ます。すなわち、タンパク質が多いほど色は濃く、硬さも増します。一般的に暑く、乾いた気候の元ではタンパク質が多くなります。従って硬質小麦は、冬より春蒔きの方が向いています。ただ断面がガラス質の硬質小麦は、同じ時期に蒔いても雨が多い年には、断面が白っぽい粉状になってしまうことがあります。天候や土壌に影響を受けやすい、小麦の性質を反映した例です。硬質小麦からは強力粉、中硬質からは中力粉、軟質から薄力粉が作られます。強力粉はより多くグルテンを含み、強い粘りと弾力があります。作る料理により使い分けられ強力粉だとピッツァやパン、中華麺、中力粉はうどんや素麺、薄力粉はケーキやお菓子、そしててんぷら等に使います。パスタで馴染みの深いデュラム小麦は、シチリア原産の硬質白小麦です。「セモリナ」と呼ばれる粗引き状態で使われます。タンパク質を多く含んでいますが、粉の粒子が大きいためグルテンの力は余り強くありません。小麦の仲間ではありますが、生物学的には別の種と考えられています。乾燥した大気と、厳しい夏の暑さの元で生育されたこの小麦は、タンパク質に富み大変硬い粒を持つ、パスタに最適な品種として長い歴史を誇っていました。名声が高まるにつれて需要も増え、ついにカナダやアメリカでデュラム小麦が多く生産されるようになりました。オートメーション化された大規模農場で作られる、“安いデュラム小麦”の登場です。かつては最高級の品質を誇った本場シチリア産デュラム小麦を、完全に市場から追い落としてしまいました。ただ、デュラム小麦の持つ豊富なタンパク質と硬い粒は、シチリア独自の激しい寒暖の差が生み出したもので、寒い北米産のそれとは全く違った味わいです。同じ種であっても、作られる環境によって違ったものになってしまう農作物の特徴をここでも見ることが出来ます。