ワイナリーの一年
un'Anno della Cantina

ワイナリーの一年
2005年 6月
ワイナリーはただブドウを醸造するだけでなく、様々な幅広い仕事があります。今回はどのような一年を通してワインが造り出されるのかを見て行きたいと思います。1月2月にその年のブドウ栽培を影響させる 剪定を始めます。樹の実力以上に枝を伸ばして茂らせれば、病害虫に弱くなり良質な実もつかなくなるので必要のない枝を刈ります。この時期を選ぶのは木の活動が止まるからで、それ以外の時期に剪定をすると 切り口から樹液が出続けて樹勢を損います。3月に発芽が始まりますが寒冷地では水をまき氷に包んで、春の霜から芽を守ります。この頃から病虫害防除剤の散布を始め、ひもで整枝を行います。6月にブドウはつぼみから開花へと至ります。このころからワイナリーは忙しくなり、若枝の剪定と新しい梢の固定、畑の除草と耕作、花穂の間引きを行います。樹の体力以上に花穂が多いと花が実になれず、歯抜け状態の房になってしまいます。放置しても多すぎる花や実は自然に落ちますが、樹はエネルギーを消耗してしまいます。よってこの期間の仕事は後々のワインの出来具合に大きく影響するため、地味な作業ですがおろそかにすることができません。8月には除葉を行い、9月ごろから収穫が始まります。これは産地やブドウ品種、天候よって変わり一ヶ月ほど前後します。収穫はワイナリーにとって一番忙しく、普段以上に人手を確保して、急いで房を摘んでしまいます。収穫を急ぐ理由はそのブドウにとって最善な時期を選んでいるため、遅くなると実が枯れるなど品質が変わってしまうからです。この時に選果を行い、未成熟な房や傷ついた実を取り除いてしまいます。この時期の一番悩みは天候で、雨が降り続くと実は根を通して水分を吸い上げてしまうため品質が悪くなります。摘み取られたブドウはすぐに破砕を行い、果汁を樽に入れ醸造を始めます。アルコール発酵をしている間、24時間果汁の管理をしなければなりません。発酵が落ち着くとワイナリーの仕事も一段落します。11月、12月には畑の土寄せを行い、ようやく一年の仕事が終わります。この他にもワインのボトル詰めやラベル貼り、出荷などの作業は一年を通して行われています。これだけの作業をしていても残念ながら天候によりその年のワインが台無しになることがあります。ですが天候に恵まれ素晴らしいワインが出来上がったときのワイナリーの喜びはすごく、どれだけ自分たちの造るワインに対して愛着を持っているかを皆さんにも感じていただけると思います。