
ワインの歴史 1
2004年 10月
ワインは特に難しい技術や材料を必要とせず造り方の簡単さから、メソポタミア文明の初期のころから存在し、人類最古のアルコール飲料であると言われています。ただし当時は今と違い科学的な知識もなく
原始的な造り方をしていたため、酸化してあまりおいしくなく飲みにくいことから、水やハチミツなどの色々な物を足して飲んでいました。ワイン造りの歴史は古く、約8000年前に生まれ、本格的には5000年前に造り始められたなどと様々な説がありますが、造られだしたのはヨーロッパではなくメソポタミアであることがはっきりとしています。紀元前1800年頃のハンムラビ法典にはすでにワインの記述があり、その後に渡ったエジプトにも造り方のレリーフが残っています。そして法律や造り方が整備され、ようやくギリシアへ渡りました。その後ワインがヨーロッパに広がるにつれ、戦争の歴史と密接していきました。文明国が自分たち用のワインを造るために、ブドウの苗を征服した土地に植えてワインを根付かせていったのです。アレクサンダー大王がギリシアからイタリアを含めた周辺諸国に、そしてシーザー率いるローマ帝国がフランスやドイツにワイン造りをもたらしました。この頃からワインは飲むだけではなく、財産としても取引されるようになり、資産家で政治家であったキケロの住居にはワイン用のカメがたくさん並び、百年物のワインもあったと言います。そしてキスの始まりはこの頃であるという説があります。家の主人が帰ると、妻や召使が隠れて飲んでいないかを確認するためです。このように見ると、実はワインで有名なフランスは後進国で、アラブ諸国は先進国であったことがわかります。ですが、今ではまったく聞きません。それはその後、ワインは宗教と強く密接していくからです。
ワインの歴史 2
2004年 11月
ワインは中世に入る前から、様々な役割を果たしながら発展していきました。食べ物の代用として栄養の確保のため、宗教儀式に使う聖なるものとして、ただお酒として娯楽のために・・・。
キリスト教世界のヨーロッパではパンはキリストの肉、ワインは「キリストの血」とされており、特に宗教との関係が密接になったことで、ワインは当時力のあった教会や修道院の主導の下、ブドウ栽培が積極的に行われるようになりました。ヨーロッパに反しワインの発祥の地メソポタミア文明のあった地では、その後イスラム教の発展によりワインが廃れていきました。イスラム教ではワインを含め飲酒全般を禁止しているからです。ワインは戦争の歴史から、宗教の歴史になっていくわけです。まだまだ当時はワインは高価で特別なものであったために、庶民の口にまで回ってきませんでした。そして輸送や保存手段としてカメに変わり樽が発明され、一般的にもワインが浸透していき、大航海時代には世界中に運ばれました。技術的にもワインに 個性が求められる時代となり、木の樽での保存で高級感や微妙な味の違いを出し、他にも透明度を高めるために卵白や粘土を入れるなどの試みも行われました。ワインの種類も今までの赤と白の二種類だけではなく泡の出るスパークリングや、保存効果を高めるために酒精強化したマルサラなどが発明されました。大航海時代には重宝されシチリア島で造られているにもかかわらず、発明したのはたくさんの船を所有していたイギリス人でした。ですがいつまでもワインにとって良い時代だったわけではありません。1860年ころからアメリカ大陸から来た、害虫フィロキセラが大量発生し苗はほぼ全滅状態になりました。その後時間をかけ今に至るわけですが、ワインの法整備も進んでいきます。ボルドーのシャトーを最初に、その後ワインの品質を保証、向上させようと原産地呼称であるA.O.C.やD.O.C.が作られていったのです。