ワインの造り方
Come si produce vini

ワインの造り方
2004年 12月
ブドウからどのような工程でワインが出来上がるか見ていこうと思います。日本ではりんごやマンゴーなどの様々なフルーツワインが存在しますが、本来ワインとはもちろんブドウだけで醸造されたお酒のことを指します。ですが出来上がったワインにはたくさんのタイプの違いがあり、赤、白の違いだけではなく発泡しているものや酒精強化されたワインまで様々です。まずは一番市場に出回っている一般的な普通の赤ワインや白ワインである「スティルワイン」から見て行きましょう。基本的に白ワインであればマスカットのような皮が緑をした白ブドウを、赤ワインだったら巨峰のような皮の赤い黒ブドウを使います。一番目の作業は「収穫」ですが適切な時期に一気に摘み取ってしまいます。だいたい北半球では9月ごろから始まり、早すぎたり遅すぎるとその後の出来上がるワインに大きく影響を与えますのでワイナリーは神経質になる時期でもあります。次の工程は「破砕」です。集められたブドウはその後、機械にかけ茎と実に分けて、その後実を絞り“モスト”と呼ばれるぶどうジュースに仕上げます。ここで亜硫酸塩を加えますが、有害なバクテリア、カビなどの殺菌ないしは生育抑制と果汁の酸化防止が主な目的で、ワインの透明度を上げるのにも役立っています。それから「第一次発酵」をさせます。これはモストに酵母を加えて、モストの持つ糖分を化学反応させることによりアルコールと炭酸ガスに分けられます。赤ワインであればブドウの皮から色素やタンニンなどがこの過程で溶け込んでいきます。アルコール度数はモストの持っていた糖分に関係してきます。もしワイナリーを訪れる機会があればぜひ一度見てください。ピチピチ音がし続けているので、何だかワインが出来てきているのを実感できると思います。その後ワインから果皮を取り除き、赤ワインであれば「第二次発酵」を行います。これは「マロラクティク発酵」とも呼ばれ、ワインの中に含まれるリンゴ酸をより酸味のまろやかな乳酸菌に変えてしまう作業です。白ワインでも行うことがあります。そして「オリ引き」をすることにより細かな固形物やアルコール発酵の役目を終えた酵母菌を取り除き「樽熟成」への工程に移ります。昔は大きな樽での熟成が一般的でしたが最近ではより雑味をなくすために清潔なステンレスのタンクや、味わいをつけるために小樽を使用します。ワインによっては3ヶ月ほどの短期間であったり、10年以上の長期間であったりします。樽熟成を終えたワインはその後「濾過」してボトル詰め「瓶熟成」へと移りますが、最近の高級ワインであれば味わいを出来る限り残すために濾過をしない場合もあり、軽いワインだと瓶熟成を掛けずに出荷してしまいます。ですがD.O.C.などの法律によっては樽熟成・瓶熟成を一定期間以上する必要があると義務付けられます。ではなぜ「熟成」をしなければいけないか、そしてなぜこれだけの期間の違いがあるかを見てみましょう。第二次発酵を終えたばかりの出来上がったワインは、酸味が強く渋めであったりと舌を強く刺す味わいで、まだまだ飲み物として不完全です。これを樽熟成することにより早く酸化を促し味わいをまろやかにします。瓶熟成は樽に比べて熟成が遅いですが、その分ゆっくりと落ち着いた酸化熟成を期待できます。イタリアワインであればバローロなど4年以上の熟成義務がありますが、これはせめてそれくらいの期間は熟成させなければおいしくないという目安からできたものです。それに比べ軽いワインはブドウの成分が少なく酸化が速く進み劣化を招くので早く出荷され消費されます。
ワインの造り方 スパークリング
2005年 7月
今では誰もが知っている泡の入った特殊なワインになりますが、初めからこうしたワインを 造るつもりではなく、偶然に出来た産物でした。瓶詰めしたワインが中で再度発酵してしまい、開けてみると炭酸ガスがワインに溶け込んでいたのです。最初は出来損ないのワインが出来たに過ぎないと思っていたのですが、これに目をつけたドン・ペリニョン神父がそれを進化させたのが始まりです。1668年にシャンパーニュ地方で造られたのですが、この地方だからこそ今日のシャンパンの栄光があるといっても過言ではありません。むしろここではそれ以外にたいしたワインが造れなかったのです。ワイン生産地の最北端に当たり、冷涼な環境から黒ブドウは色素が付かず、白ブドウも糖度があがらず酸の強いワインが出来るだけでした。そこでこれに注目したのです。その後世界中で造られることになりますが、現在の製造方法は大きく分けて2つになります。一つはその当時に発明されたシャンパーニュ方式とも呼ばれる「瓶内2次発酵方式」。瓶詰めしたワインに糖分と酵母を加えて再度アルコール発酵をさせます。手間と技術が必要ですが辛口で高品質のワインができます。シャンパンは全てこの造り方になります。もう一つはステンレスタンクでワインを発酵し炭酸ガスを溶け込ます「シャルマ方式」になります。比べると泡が大きく、フレッシュ感のあふれるワインになり、長期熟成には向かず安価なワインになります。イタリアで有名なアスティやプロセッコはこの造り方をします。どちらにも共通する点はヴィンテージを気にせずバランスよく様々な年のワインを混ぜ醸造することです。スパークリングワインは出来上がりが赤ワインや白ワインに比べ気候に影響されやすいため、悪い年と良い年をうまく合わせて品質を安定させリスクを回避します。辛口から甘口まで幅広く造られており食前、食後酒として楽しまれています。
ワインの造り方 その他のワイン
2005年 2月
まずボジョレー・ヌーヴォーを筆頭とする新酒はどのように造られているのでしょう。イタリア語ではノヴェッロと呼ばれていますが、実はこのワインも特別な造り方をして、新酒が持つ独特のフルーティーな個性を出しているのです。「マセラシオン・カルボニック」と呼ばれる醸造方法で炭酸ガスを利用します。ブドウの実を破砕せず縦型の大きなステンレスタンクに上からどんどん入れてしまいます。タンクの下ではブドウは重さでつぶれ果汁が流れ出て自然に発酵が始まり、炭酸ガスが生成され次第にタンク全体が炭酸ガスで充満します。この方法で造ったワインは、色が濃いわりに渋みの少ない飲みやすいワインになります。ただしフレッシュ感を大事にしていることから、造られた年内中に飲むのが良いと言われています。次は貴腐ワインなどの粘度のある甘口ワインを見てみましょう。法律的に何らかの理由がない限り加糖が認められていないため、これらのワインはいかに糖分を上げるかが問題になってきます。イタリアではパッシートと呼ばれるワインは、糖分を上げる為に収穫したブドウを日陰に干し、干しブドウ状にしてしまいます。アイスワインは寒くなりブドウが凍ると収穫を始め、すぐに破砕を行いますが、水分が凍っているので搾り出されるのは濃度の高いブドウ汁になります。貴腐ワインは「ボトリティス・シネレア」と呼ばれるカビを利用します。このカビは収穫前のブドウの果皮に付き、中の水分を抜いてしまうのです。こうした方法を使うことにより水分が減るにもかかわらず糖が変わらないので、醸造する時に高い糖分を期待できるのです。よく知られていませんがマルサラ酒やヴェルモットもワインのカテゴリーになります。造り方はベースのワインを造り、そこにブドウを蒸留したアルコールを加え度数を上げます。そして種類によってワインを煮詰めたモストコットや圧縮したモストコンチェントラートを加えます。ヴェルモットではハーブやスパイスを漬け込み他にはないワインとなります。こうしたワインは基本はブドウであるにも関わらず、環境やアイデアを利用して様々なタイプになります。