
混醸について
2006年 12月
ここ最近単一ブドウ品種で造られるワインの人気が上がっています。理由は様々ですが、一つに消費者が品種を覚えることにより、どのようなワインであるかを理解しやすいことがあります。そうしたことから近年、新世界ではフランス系単一品種で造られるワインが増え、旧世界であるヨーロッパでもこの傾向が見られます。ワインは様々で単一品種で造られる単醸が義務付けられているものがあれば、いくつかの品種を混ぜて造られる混醸を義務付けているワインもあります。この違いはどこから来るのでしょう。今ではワインを造るに当たりブドウ品種は重要な材料となりますが、元々ワインは土地が重要だと考えられ、ブドウ品種自体がワインの品質や個性を決めるという意識は低かったようです。よって畑には様々な品種が一緒に植えられ、当たり前に混醸されていました。その後各々の品種には個性があることが分かり、その品種に向いたワイン造りがされるようになりました。そこでようやく単醸に向く品種と、混醸に向く品種に分けられたのです。混醸用品種の多くはタンニンがきついなど個性が強く、ワインにしてもバランスの悪いものになります。そこで混ぜ合わせることにより、お互いの個性でワインのバランスを補うことが出来ます。例えば単調なワインに酸味や渋みを加える、薄い色調のワインに色を加えるなどです。もう一つ混醸の利点として、単醸に比べ収穫年に左右されにくいことです。ブドウ品種は各々収穫時期が若干異なるため、同じ年でも品種によって良い年であったり悪い年であったりします。そこで混醸の比率を変えワインの品質やバランスを保ちます。フランスのボルドー地方ではカベルネ ソーヴィニョン、カベルネ フラン、メルロー、プティ ヴェルドと様々な品種を使い混醸しますが、一方のブルゴーニュ地方ではシャルドネやピノ ノワールを単醸でワインを造ります。イタリアで見ると北のフリウリやトレンティーノ、ピエモンテでは単醸で造られることが多いですが、イタリアの中部から南部にかけては混醸で造られることが多いです。中部での白ワインの多くはトレッビアーノとマルヴァジアを混ぜて造られます。これはトレッビアーノの持つ酸味をマルヴァジアの持つふくよかな味わいとアロマティックな香りで補うからです。赤ワインはサンジョヴェーゼ種を主体にカナイオーロなどの品種を混ぜ合わせます。トスカーナでは現在は単一で造られるようになりましたがキアンティもこの様に混醸が義務付けられていました。そしてスーパータスカンも外来品種や地元品種の単醸で造られることが多いです。その一方ピエモンテでは本来単一で造られてきたネッビオーロやバルベーラを混醸して新しいワインを造る試みもされています。