ブドウの再利用
Riciclaggio dell'Uva

「ワインにまつわるお話」へ

ブドウの再利用 グラッパ

2005年 8月

   ワインといえばブドウからできていますが、その後の残った搾りかすはどのように利用されているのでしょうか。ブドウの皮はグラッパに、種はオイルを造るのに使います。グラッパは寒い日に体を温めるために飲んだり、食後酒として親しまれています。名前の由来には二つの説があり一つは、ブドウの房を意味する「グラッポロ」という言葉からという説。もう一つは、ヴェネト州にあるバッサーノ デル グラッパという町の名前からついたという説です。イタリア特産の蒸留酒グラッパは、フランスのマール、スペインのアグアルディエンテなどの蒸留酒と同じ製法で、果皮を熱し、それを冷却によって液化してグラッパを得るというものです。ブドウの皮を入れる大きな鍋がカルダイアで、蒸留設備一式をアランビッコと言います。3つの製造方法がありますが一番普及しているのは蒸気式で、カルダイアに蒸気を送り込みその熱で温度を上げてアルコールを蒸発させるやり方です。グラッパの歴史は10世紀頃まで遡ります。その頃、上流社会ではワインやブランデーが主流で、グラッパは搾りかすで造った一番安上がりで手っ取り早く酔える酒の代表として農民たちに親しまれていました。荷車に手製の蒸留器を乗せて、ブドウの搾りかすからグラッパをつくるべく家々を回る光景も村ではよく見られたそうです。品質に対してのこだわりは長い間ありませんでしたが、最近では品種の個性を味わいに出すために単一種のブドウから蒸留されるものもあります。ほとんどのグラッパは透明な「グラッパ ビアンカ」ですが、オークやサクラ、アカシアなどの木樽で熟成させ、香りや味わいに複雑味を加えた琥珀色のグラッパも増えてきています。そして高級レストランや、各地の店頭に高級品として置かれるようになり、その個性豊な味と香りを味わう事ができるようになりました。今では人に感動を与える、高額な最上級グラッパも愛好家の間で取り引きされています。わずか20年間に、安酒の代名詞だったグラッパが一気にスターへの階段を駆け上がり、今や高級品となってしまいました。もちろんその背景には各蒸留所が品質へのこだわりと、創意工夫をこらした蒸留方法があったのです。

ブドウの再利用 グレープシードオイル

2005年 3月

   最近グレープシードオイルが話題になっており、よく耳にするようになりました。健康に良いものだとは聞いても情報が少なく限られたものでした。そこで今回はブドウの有効な再利用ということで、このオイルを調べてみました。グレープシードオイルはここ最近まで歴史の表舞台に出てきませんでしたが、古くから存在していたようです。初めての記述があるのは、1596年に神聖ローマ帝国の皇帝であるマキシミリアン2世がこのオイルを大変重要視し、オイルの生産事業を独占しました。イタリアで生産され当時は大変高価なものであったようです。生産が困難なこともありその後造られなくなりましたが、世界大戦中に他の食用油の不足によりヨーロッパ内で再度需要が高まりました。それでも知る人ぞ知るもので一般的なものでは有りませんでした。この近年の人気はアメリカの有名シェフによるグレープシードオイルを使った独創的な料理を本で紹介したこと、そして地中海式ダイエットをきっかけにブドウの持つポリフェノールの作用が一般に知れ渡ったことが原因となりました。グレープシードオイルはワインを作るときに得られる副産物で、イタリアで最も生産されその他のワインの産地でも生産されています。ブドウの種子には5〜12%のオイルが含まれ、グレープシードオイルは乾燥させたブドウの種子を圧搾して精製したものです。100mlのオイルを作るには、100kgものブドウ種子が使われます。ただ作るのに量が少なく手間隙がかかりますが、原料は今まで肥料としてブドウ畑にまくなど、特に再利用で有効に使えなかったもので、新たな耕作地や作物も必要がないため、環境にやさしい産物だと見られています。ヨーロッパでは古くからサラダ油や揚げ物油などに利用されていたほか、フランスでも昔から高級料理に使われていました。現在では化粧品としても利用されています。グレープシードオイルは酸化しないオレイン酸を多く含んでいますがコレステロールが無く、ビタミンEの含有量も30%とオリーヴオイルの倍以上になります。まだまだ高価なオイルですが健康志向の現代ではこれからも人気が出てくると思われます。